SUVジャンルは、各社で熾烈場販売競争が続いています。
その中でも、SUV販売台数ナンバー1を獲得した、「ホンダVEZEL(ヴェゼル)」と「トヨタC-HR」、何れもハイブリッドを比較します。
街乗りから遠出まで、様々なシチュエーションに対応でき、ドライブを退屈させない魅力を両者はもっています。
◆目次◆
1.比較するグレード
2.大きさと重さ
3.パワートレイン
4.安全運転支援システム
5.インテリア
6.エンタテインメント
7.乗り出し価格
8.どちらを選べば良いか
1.比較したグレード
ハイブリッドモデルの最上級グレードをベースとします。
- ホンダ ヴェゼル HYBRID RS Honda SENSING
税込車両本体価格 2,810,000円~
2018年2月マイナーチェンジモデル
- トヨタ C-HR HYBRID G
税込車両本体価格 2,929,200円~
2018年5月マイナーチェンジモデル
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2.大きさと重さ
カタログから大きさと重さを比較します。
ヴェゼル | C-HR | |
長さ/幅/高さ(mm) | 4,340/1,790/1,605 | 4,360/1,795/1,550 |
重さ(kg) | 1,310 | 1,440 |
最小回転半径(m) | 5.5 | 5.2 |
ヴェゼルは高さを除いて僅かながらC-HRよりもコンパクトですが、小回りが利くのはC-HRという結果になりました。
重さの違いは、安全装備の違いが大きいのではないかと推察します。
実車を見るとわかりますが、デザインはC-HRがヴェゼルよりも個性的と感じる方が多いと思われ、好き嫌いが分かれます。
3.パワートレイン
カタログからパワートレインを比較します。
ヴェゼル | C-HR | |
エンジン形式 | LEB | 2ZR-FXE |
総排気量(L) | 1,496 | 1,797 |
燃料タンク容量(L) | 40 | 43 |
エンジン最高出力(kW[PS]/rpm) | 97[132]/6,600 | 72[98]/5,200 |
エンジン最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm | 156[15.9]/4,600 | 142[14.5]/3,600 |
モーター最高出力(kW[PS]/rpm) | 22[29.5]/1,31 3 -2,000 | 53[72] |
モーター最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm | 160[16.3]/ 0-1,313 | 163[16.6] |
JC08モード燃費(km/L) | 25.6 | 30.2 |
トヨタのハイブリッドはモーターの力が強く、市街地や郊外であればモーターのみで走行可能なため、実走行でC-HRの燃費がヴェゼルを下回ることはありませんでした。
ヴェゼルでは市街地や郊外巡行で20km/l程度でしたが、C-HRでは20km/l以上の燃費でした。
※ヴェゼルは2017年のRS、C-HRは2018年のGのメーター値です。
高速ではどちらも燃費が多少落ちますが、それでもC-HRがヴェゼルの燃費を下回ることはないでしょう。
トヨタのハイブリッドは、ホンダのi-DCDで言われる「ギクシャク感」が全くなく自然に加減速し、完成度が非常に高いです。
排気量の違いにより、自動車税はC-HRが5,000円高くなりますね。
4.安全運転支援システム
カタログから安全運転支援システムを比較します。
ホンダは「ホンダセンシング」、トヨタは「トヨタセーフティセンス」
比較項目 | ヴェゼル | C-HR |
高速道路のクルージングをサポート | ・LKAS(車線維持支援システム) ・路外逸脱抑制機能 | レーンディパーチャーアラート(ステアリング制御付) |
ついていくをサポート | ACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール) | レーダークルーズコントロール(全車速追従機能付) |
ぶつからないをサポート | ・衝突軽減ブレーキ(CMBS) ・歩行者事故低減ステアリング | プリクラッシュセーフティ(歩行者[昼]検知機能付衝突回避支援タイプ) |
夜間の見やすさをサポート | – | オートマチックハイビーム |
標識の見逃し防止をサポート | 標識認識機能 | – |
前の車の発信に出遅れない | 先行車発信お知らせ機能 | – |
サポカーレベル | サポカーS | サポカー |
JNCAPランク | ASV++ | ASV++ |
各社が力を入れている安全運転支援システムですが、各社が開発した衝突回避をサポートする機能の総称です。
安全運転支援システムは各社独自で開発され、用語や機能に差異があるため、基準としてサポーカーレベルが参考になります。
サポカーレベルでは、ヴェゼルが一歩リードしていることになります。
JNCAP(予防安全性能評価)ランクでは、どちらも最高ランクを獲得していることから、各安全装備の質は高いことがわかります。
とはいっても過信は禁物で、最終責任は運転者にあります。
その他の安全運転支援システム
安全運転支援システムの機能ではありませんが、関係する機能を比較します。
比較項目 | ヴェゼル | C-HR |
車線変更時の後方確認をアシスト | – | ブラインドスポットモニター(BSM) |
静止物を検知して衝突軽減に寄与 | 誤発信抑制機能(前方のみ) | ・インテリジェントクリアランスソナー ・リヤクロストラックオートブレーキ |
車両後方カメラ画像をインナーミラーに表示 | アドバンスドルームミラー(オプション) | – |
曲がる方向を照らして見やすくする | – | – |
サポカーに該当しないその他の安全運転支援システムも搭載しています。
C-HRに装備されている、ブラインドスポットモニターやクリアランスソナー、オートブレーキは、踏み間違いや死角に対してとても有効で、一度体験したら手放せない装備です。
昨今の踏み間違いに起因する重大事故の軽減に対応できるC-HRは、ヴェゼルよりもアドバンテージが高いですね。
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5.インテリア
カタログからインテリアを比較します。
比較項目 | ヴェゼル | C-HR |
シート | ウルトラスエード | 上級ファブリック(ブラック)+本革(ブラウン) |
シートヒーター | 運転席+助手席 | 運転席+助手席 |
パワーシート | オプション | – |
空気清浄 | プラズマクラスター | ナノイー |
両車の差はほぼありません。
シートはシート生地も大事ですが、自分のドライビングポジションにあったシートであることが重要なため、試乗して確認することをおススメします。
プラズマクラスターやナノイーは、女性にはうれしい装備ですね。
パワーシートはヴェゼルにオプション設定されていますが、高価なので…
6.エンタテインメント
カタログからエンタテインメントを比較します。
比較項目 | ヴェゼル | C-HR |
ナビゲーション | ・メーカーナビ ・ディーラーナビ | ディーラーナビ |
スピーカー数 | 6 | 6 |
ETC | ETC1.0を標準装備(ナビ装着スペシャルパッケージ) | オプション |
IoT | internavi | T-Connect |
ナビやオーディオは、選択肢が多いディーラーナビがおススメです。
ヴェゼルは最大8インチ、C-HRは最大9インチまで実装できますが、ナビの操作性はヴェゼルのほうが良いと個人的に思います。
Appleデバイスで音楽を再生中、曲一覧を次ページに進めた時に最初の曲が再生されるトヨタ仕様が気に入りません…これは、2017年モデルのハリアープログレスの純正ナビでも同様でしたので、改善してほしい…
トヨタではT-Connectではなく、DCMを標準装備して車両とドライバーがより繋がるコネクティッドカーに2018年位から進化中です。
7.乗り出し価格
インターネットの見積もりから、概算の見積もり価格を確認します。
・オプションは、マットとバイザーのみ
・ナビは8インチ
・ETCは2.0
ヴェゼル 約333万円
C-HR 約338万円
殆ど変わらない結果になりました。
C-HRは全店取り扱い車種のため、トヨタでも異なる系列の販売会社間での競合が期待できます。
なお、残クレ等の自動車ローンを検討する場合は、金利負担も考慮します。
トヨタの金利は販売会社によって異なり、4%から8%位が多く、トヨタファイナンスが主に引き受けますが、ホンダは全国統一金利で3.5%となっており、ホンダファイナンスが主に引き受けます。
ホンダファイナンスは金利キャンペーンを車種限定で実施することがあり、1.9%で行われることが多いですが、トヨタでは殆ど行われません。
何れも発売から年数が経過しているため、値引きを引き出すことへの難易度は高くありません。
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8.どちらを選べば良いか
あなたは、ヴェゼルとCH-Rどちらを選びますか?
比較項目のサマリーを作ってみました。
比較項目 | ヴェゼル | C-HR | 判定 |
大きさと重さ | 買い物でも旅行でもオールマイティにこなせる | ← | 引き分け |
パワートレイン | ハイブリッドのマイルドな走りに加え、スポーツモードでキビキビしたスポーティ走行も可能 | ← | 引き分け |
安全運転支援システム | ホンダセンシングによる高次元の衝突安全性能を持つ | ブラインドスポットモニター等の補助装備がある | C-HR |
インテリア | 装備は申し分なく、後は好み | ← | |
エンタテインメント | ナビ装着スペシャルパッケージ標準装備だが、ETCは2.0ではない | CONNECTED CARをコンセプトに、IoTを視野に入れ、車と社会がつながっていく | C-HR |
乗り出し価格 | オプションの自由度があるため、予算に応じて選択できる | ← | 引き分け |
カタログ比較では、C-HRに軍配が上がりました。
ヴェゼルはホンダのセンタータンクレイアウトにより、居住性と収納性を上手く両立させていますが、C-HRは割り切ってスタイル優先に見受けられます。
特に、日が落ちてからの右左折時の視認性が良くなく、私は正直怖いです。
カタログでは機能に目が行きがちですが、この車を比較する際は、 カタログでは現れない「居住性」と「収納性」について必ず実車を確認する必要があります。
最後に価格(値引き)を加えて総合判断ですね。