クレジットカードの表と裏には、カード番号をはじめとした各種情報と技術が詰まっていることをご存知ですか?各情報がどういった意味を持っている情報なのか、自分のカードを手元に準備してご覧頂くことをおススメします。
例として、私の楽天カードで解説していきますが、他のカードでも情報は共通しています。
◆目次◆
1.カード全体を眺めてみよう
2.カードのサイズと重さを確認してみよう
3.カード表面を見てみよう
4.カード裏面を見てみよう
5.まとめ
1.カード全体を眺めてみよう
デザイン各カードで当然異なっていますが、形状は同じですね。
運転免許証ともサイズ感ピッタリで、私は財布にクレジットカードと一緒にしまっています。
この統一感には意味があることを、これから具体的に解説していきます。
表面
スッキリしていてロゴ類が多く、各社カードデザインにも力を入れている印象です。
裏面
表に比べて地味な印象です。セキュリティ関係とカード会社連絡先情報等がありました。
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2.カードのサイズと重さを確認してみよう
クレジットカードのサイズは、カード形状を定めている国際規格「ISO/IEC7810」の「ID-1」という規格に準拠しています。
キャッシュカードや運転免許証も、この「ID-1」規格に準拠しています。
因みに「ISO/IEC7810」には、他にも「ID-2」、「ID-3」、「ID-000」が規格化されています。
サイズを統一しないと、本人は持ち運びに不便ですし、店員にも扱いづらく、各サイズに合ったカードリーダの製造等、コストと手間がかかって、ミスを誘発してしまうかもしれません。
サイズ統一によって、これらのリスクを排除し、世界中で手間を省いて確実に決済することができるのです。
3.カード表面を見てみよう
いつも見ているカード表面ですが、ここには目に見える情報がたくさん隠れていますので注目です。
■ICチップ
これ、デザインではありません。このICチップの中には、磁気ストライプ(後述)の内容が記録されています。
ICチップを読み取れる端末を導入している店舗では、カードを挿入して暗証番号により、オーソリを行います。
これにより、磁気ストライプでは必要であったサインが不要になります。暗証番号が、本人認証になるからです。
暗証番号を一定回数間違えるとカード不正利用扱いとなるため、その場合は従来の磁気ストライプでの決済ができます。
本音を言えば、暗証番号は忘れやすいので、今までの磁気ストライプとサインのほうが利用者としては楽ですが。
また、以下の点でも従来の磁気ストライプよりもICチップのほうが優れています。
- スキミング(磁気ストライプをスキーマと呼ばれる装置で不正に読み取るって偽造する)防止
- 耐久性(磁気ストライプのように接触不良や読み取りエラーが起こりにくい)の向上
利用者の利便性はさることながら、やはり偽造などのセキュリティ面のメリットが非常に大きいですね。
まだ100%IC化はされていませんが、2020年に全IC化(カードも販売店の端末も)することを政府が目標として掲げています。
■カード番号
最大16桁(カード会社によっては少ない場合あり)のおなじみの番号です。
自動車のナンバープレートみたいに有料で選べればいいのになぁと思うのですが、それはできません。
この番号にも各桁毎に意味があり、国際規格「ISO/IEC 7812」で規定されています。
例えば、1桁目を見てみると、国際ブランドによって3,4,5の何れかから始まっており、最初の6桁で発行会社わかるようになっています。
これによって、ネットショッピングなどでVISAを選んで、3から始まる番号であれば違うのでエラーとするなど、ある程度のハンドリングができるようになっています。
IPアドレスのようにカード番号の枯渇ってあるんでしょうかね?
- 3から始まる JCB、AMEX、Diners
- 4から始まる VISA
- 5から始まる MasterCard
カード番号の位置も決まっていて、国際規格「ISO/IEC 7811」で規定されています。
真ん中より少し下で統一(ここではざっくり表現しましたが、実際はもっと細かいです)されています。
また、字体、大きさ、文字間等も決まっているのでどこカードを見ても似たり寄ったりなのです。
加工は凸凹(エンボス)タイプの場合と、印字タイプがあります。
日本では殆どないですが、海外では決済端末がない店舗の場合、伝票(インプリンタ)方式となり、カード番号、有効期限、氏名を転写する必要があります。
この場合、エンボス加工されているクレジットカードが必要です(ただ、この方式はセキュリティ上好ましくありません)が、逆にエンボスがない印字タイプはコスト削減ではなく、その使い方に特徴があります。
例えば、ViewCard Suicaは印字タイプで、凸凹が一切ありません。凸凹があると、券売機や自動改札で扱いづらいですよね。
そういった理由から、凸凹が無いんです。
■有効期限
月(MM)/年(YY)です。日本では年月表示が多いですが、海外では月年表示も多いです。
有効期限は審査によってその期限が異なっています。
有効期限前に更新カードが送付されてきますが、現住所が変わって変更していない場合は、速やかに変更しておきましょう。
有効期間中に一切の利用がない場合、更新されない場合があります。この場合、更新するかの案内が来ます。
私は、パスモで使おうと、東武カードを保有しましたが、別のカードにしたため不要になり、有効期限をもって更新しませんでした。
■名前
名前はローマ字のヘボン式でとなり、例えば、ひらがなの「し」は、「si」ではなく、ヘボン式で「shi」となります。
世界共通言語は英語ですし、26文字文字で表せますし。ミドルネームなどで長い場合、「A.T.Y.JAMES」とかになるのかな?
■ホログラム
高級感やデザインではなく、れっきとした偽造防止のためです。
感覚でいえば、お札の透かしではなく、キラキラしたところですね。
楽天カードでは表面にありますが、カードによっては裏面にある場合もあります。
例えば、dカードの一般カードは裏面、リクルートJCBは裏面の磁気ストライプでした。
国際ブランドによって、同じ絵柄のようです(発行時期やカードランクで変わっているかもしれませんが)。
- VISA 羽ばたく鳥ぽい?
- Mastercard 世界地図ぽい?
- JCB 地球ぽい?
■国際ブランド
国際ブランドロゴで、カードによっては上部だったりします。
海外での利用時は、国際ブランドロゴで対応しているかすぐにわかりますね。
4.カード裏面を見てみよう
地味ですが、裏面にも情報がたくさん隠れていますので注目です。
■磁気ストライプ
昔からある黒い帯で、国際規格「ISO/IEC 7812」で規定されています。
裏面上部が一般的で、カード番号、有効期限といったカード情報に加え、誤り検知のための情報も記録されています。
■署名
対面本人認証のために必ず、カード保有者本人が自署します。
クレジットカードに署名をしていない人が散見されますが到着したら必ず署名しましょう。
伝票へのサインとカードへのサインが同じことで本人確認としています。
署名しないカードは利用できませんし、事故があっても補償されません。
子供の頃、自分の持ち物には必ず名前を書いたように、クレジットカードでも必要です。
■セキュリティコード
非対面本人認証のために印字され、磁気ストライプやICカードには記録されていません。
ネットなどの非対面販売では、カード番号と有効期限だけではセキュリティが甘く、簡単に悪用される危険性があります。
セキュリティコードを利用することで、カード保有者本人にしか知りえない情報を入力し、本人確認を行います。
大事な番号なので、カード台紙に印字されていませんし、ネットショップ決済の場合でも、保存してはいけない情報です。
しかし、これでもまだセキュリティが万全とも言い切れないため、本人自身が決めた情報をもとに本人認証を行う仕組み(3Dセキュア)が開発され、カード会社がブランド名をつけて提供しています。
- VISA : Verified by VIAS(VISA認証サービス)
- MasterCard : MasterCard SecureCode(SecureCode)
- JCB : JCB J/Secure(J/Secure)
- AMEX : AMERICAN EXPRESS Safe Key(American Express Safekey)
■PLUS/CIRRUS
私の楽天カードにはありませんでしたが、「PLUS(プラス)」やCIRRUS(シーラス)」の文字を見たことはありませんか?
これは、海外のATMやキャッシュディスペンサでクレジットカードのキャッシング枠を利用した現金の引き出しができるサービス(国際キャッシュサービス)に対応しているいうことです。
例えば、海外で現地通貨が足りなくなってクレジットカードでのショッピングもできない場合、複数国用の通貨を短時間で準備できない場合等、要は現地通貨が急に必要になってしまった場合に利用します。
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5.まとめ
カードのデザインやポイントに目が行きがちですが、クレジットカードの根本機能を構成するため、小さいサイズに最新技術が詰め込まれています。
カードに示されている情報を知って、カードを正しく安全に利用できるようになりましょう。